それにしても、シリア……

●シリアはほんの数年前まで、世界有数の治安のよさを誇る国でした。大金持ちはいないが、路上生活者もいず、街はきれいに整備されており、「夜一人で歩いても安心な国、外国の女性がなんの不安も不快感もなく一人旅ができる国」でした。

 

首都ダマスカスは紀元前4千年前にはできていた世界最古の町と言われ、文明の十字路として文化の花咲いた地でした。その痕跡は国内いたるところに見られ、世界遺産も多数登録されています。シリア人は自国の文化、歴史に誇りを持ち、多数を占めるイスラム教徒も宗教を他人に押し付けることはしない。そんなお国柄だったそうです。(以上日本シリア親善協会ホームページより)

 

●さて、以下はウィキペディアからの要約です。

2000年に現アサド氏が大統領に就任すると、民主化を含めた政治改革を訴え、腐敗官僚の一掃、政治犯の釈放、欧米との関係改善などを行い、国内の改革はアサドの政策を「ダマスカスの春」と呼んで歓迎しました。

ところが、改革に反対する守旧派や軍部の抵抗で、改革は思うように進みませんでした。そこへ、2003年、アメリカがイラク爆撃を開始し、フセイン政権を1ヶ月で倒すと、同じバース党政権であるアサドは危機感をおぼえ、デモや集会の禁止、民主活動家の逮捕・禁固、言論統制の強化、移動の制限など、民主化と逆行する政策をとり始めました。

 

●この方向転換が国民の反発を生み、現在の反政府勢力を生み出す結果となったのでしょうか。

事態がここまで深刻になれば、内政不干渉とはいうものの、国際社会が何らかの対応を迫られ、既にアサド政権側の資産凍結を各国が実施し、国連安保理の調停案も提示されましたが、効力を発揮していません。

ロシアとアメリカがお互いに武器供与を疑い、批判しあっていますが、事実、そこが押さえられれば徐々に効果は出てくるのではないか? 果たして、押さえる方法があるかどうか? 考えると空しくなるだけの気もします……。

 

ここにきてアメリカが軍事介入も辞さないといった姿勢を示し始めましたが、第三の武力が加わるだけの話で、国内を結果的に混乱させるだけなのはイラクで試されずみです。中東和平の問題、原発の問題、民族宗教の問題、いろいろな問題が絡んだ末のシリア情勢に、アメリカもロシアも自らの首を絞めることになるため解決の糸口を見出せないわけです。結局は、大国の大きな利権が、古代の歴史香る中東の町を破壊においやっているような気がしてなりません。その利権のなかにもちろん、我が国日本も絡んでいます。