第3回焼津平和賞の受賞式がありました。過去の受賞者にも感動

●静岡県焼津市が2009年に創設した焼津平和賞の第3回授賞式が6月30日に授賞式が行われ、ビキニ水爆被災事件静岡県調査研究会(略称:静岡ビキニ研)が同賞を受賞しました。焼津市は、アメリカによるビキニ環礁水爆実験で被爆した第五福竜丸の母港をもつ市として、事件を後世に伝え、核兵器廃絶と世界平和の実現をめざすために同賞を創設しました。焼津平和賞についてはこちらでご覧下さい。

http://www.city.yaizu.lg.jp/hisho/heiwa/documents/heiwasho.html

 

●静岡ビキニ研は、 「58年たったいまも帰れていないビキニ環礁の島民と福島がだぶってしまう」と話し、「今後もビキニ事件の全容を解明するために活動を続けていきたい」と決意を語りました。

同会は、聞間医師(会代表)が第五福竜丸の乗組員の追跡調査を行うなかで1996年に設立し、被爆の実相、環境や経済への影響、国家補償問題、外交問題など、幅広いテーマで調査研究を行っているそうです。静岡県内の医師や教職員、研究家、郷土史家ら約20人。

 

●ところで、昨日の続きではないですが、同賞は主管は市の総務部秘書課平和都市推進室です。同賞の受賞者には100万円が贈られるというのですからびっくり。平和推進への取り組みの位置づけの高さが見えます。2010年の第1回受賞者は公益法人第五福竜丸平和協会(東京都)、第2回は幡多高校生ゼミナール(高知県)でした。

 

●この幡多高校生ゼミナールの活動がすばらしい。83年に高知県西・幡多地区の公立高校生が集まり、「足もとから平和と青春の生き方を見つめる」をモットーに、地域の現代史調査を行う自主的なサークルとして活動を始めたそうです。

以来、聞き取り調査をもとにした演劇、映画などの表現活動をはじめ、ビキニ事件に関しては全国の被災船を地道に調べることによって隠された事実に光を当て、その調査は韓国にも及びました。2010年に再開された調査のなかで、第五福竜丸の船員の日記をあらたに発見したそうです。

韓国、朝鮮人問題では、戦争の火種となる「朝鮮半島」問題を友好と交流によって防ぐ目的で、韓国の高校生との交流に取り組んでもいます。

最近では、アメリカの公文書「キャッスル作戦による世界的放射性降下物」の日本語訳や元船員の日記メモなどにより、ビキニ被災の実相を明らかにしたそうです。彼らの成果、功績をたたえての授賞でした。

 

●このゼミナールはこれまでに300人の卒業生を送り出してきたそうです。約30年で300人ですから、1学年が約10人、ゼミ全体はだいたい30人という規模でしょうか。いくつかの高校にまたがっていますから集まるだけでも大変だと思います。彼らがどんな動機で、どんなスタイルで活動を展開しているのか、聞いてみたいところです。感動とともに学べることが大いにありそうです。