学徒動員世代の叫び 

津幡 龍峰 

 

 旧制中学に入学してからの日々は、軍事訓練に明け暮れ、兵器工場への動員が待っていた。結局、修学旅行にも行けなかった。

 富士の裾野の軍事訓練では、旧式の鉄砲を持っての匍匐前進。誰かの帯革(革のベルト)が切れれば、連帯責任でビンタをくらった。

 動員先の工場では、大空襲に遭遇。悪夢の日々。でも、軍国少年は、「神国日本」の勝利を信じていた。

 憲法9条を失くしたら、再び悪夢の日々を繰り返すことになる──これは、我々学徒動員世代の実体験からの叫びである。